サーバーのキッティングに始まり、WEBサイトのデザインまで、なんでもこなすフルスタックエンジニアとしてブラック企業で働いていた千聖は、29歳の誕生日をデータセンターで迎えていた。
仮想基盤でクラスタを構成する全ホスト16台の内、1台が
ダウンし、アラートが上がったのだ。
クラスタゆえにホストの1台のダウンでは影響はほぼない。10秒程度で仮想マシンは全台復旧していた。最初からそういう|キャパシティ・プランニング《容量計算》をしている。
しかし、クラスタを理解できない上司の命令で夜中に復旧をすることになった。さらに言えばこのホストの保守契約は切れており、原因の切り分けは千聖がすることに。当然のように苦戦している。すでにデータセンターに入ってから12時間は経過していた。
次のDMSEGを取得しようとした瞬間、突然暗くなる視界。あまりにもじっとしていたため人感センサーが千聖を検知できなくなったのか。しかし、体を動かそうとしても動かないことに気がつく。
千聖は「まずい」と思った。何が悪かったのかわからないが、以前に経験したことがある。これは倒れてしまう奴だ。
――転送を開始します
千聖の脳裏に機械的で合成したかのような声が響いた。『どこへ転送するの?』などと考えるまでもなく『病院か』と答えを出す。
しかし、千聖の答えは大きく外れていた。彼女は今から異世界へ転送されるのだから。
◼️この小説の方針
専門用語をバンバン出していくスタイルです。但し、専門用語と、この小説固有の名称は後書きに注釈を載せます。それでも意味が分からないものは感想などで質問してくださればわかる範囲で答えます!
あらすじの用語説明は第一話の後書きにあります。
また技術的なツッコミはガンガン入れてください。調べてから小説書いてますけど、間違ってないか調べ直ます。
ゆっくり更新で間違いを少なくして書いていきたいと思います!(間違い量産フラグ)
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-30 10:59:45
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