侯爵家の娘アリアは八歳の時、自分が千年前に魔王を倒した四賢者の一人、聖女エスタであったことを思い出す。驚きはしたものの、まず思ったことは『満喫できなかった前世分も満喫しないと損だよね……!』ということだった。エスタは魔王討伐後、数日で死んで
しまった。今世はその分まで充実させよう。そう思いはしたものの、気がかりなことが一つある。それはアリアが生まれた時に持っていたという指輪のことだった。その指輪はかつての仲間だった王子が婚約者に贈ろうとしていたもののはず。自分が持っている理由はわからないが、せめて墓前に返却しようと考えるものの、四賢者の墓地は王族や騎士以外立ち入れないらしい。
ならば騎士になるしかない! もとより剣や騎士服にも憧れていたアリアはさっそく騎士になることを決意し、第一歩を踏み出した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-22 12:00:00
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会話率:41%
魔界を治めて約千年。近い将来魔神になるとさえ噂されていたクロウは、突如魔王の座を降りた。それは『昼寝が満喫できるような日々を送りたい』という願いを抱いてしまったからだった。
そこでクロウはさっそく隠退生活のために人間界の一部を支配したものの
、人々には疲労が見えて覇気がない。
「このような有様で我の世話ができるわけがなかろう!!」
休暇はしっかり取得せよ、我一人に豪華すぎる食事はいらん!住宅に問題?補助なら出す、しっかり休息を取らんでどうする!
こうして魔王は使用人に料理人、執事、家出聖女に魔界から追ってきた魔女の心を自らの意図とは異なる所でわし掴みつつ、自らの隠居生活を支える資金を集めるため、街の開発にも取り組んでゆく。
そう、すべては自らが楽をするためだけに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-21 06:00:00
107737文字
会話率:37%