――特権階級がすべてを支配する世界の片隅。
軍人を嫌い、仕掛け時計職人を目指して外へ飛び出した少年には、医者になることを目指して特権階級への道を拒んだ親友がいた。
少年はやがて青年になり、夢からも背を向けた最悪な生活の中で、親友の死を聞かさ
れる。
唐突に現れた少女から、宝物の時計を修理してくれと頼まれた青年は、やがて、過去を取り戻し始める……。
ほろ苦い挫折と再生の物語。
なあ、俺はいつから何を失っちまったんだろう。
お前のために泣くことさえ、俺にはもう、できないんだろうか――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-07 14:05:29
30727文字
会話率:41%