気管支を少しばかり痛めたのか、埃や冷たい風の流れを吸い込めば、ゲホゲホと激しく咳き込み、ところ構わずハンケチを強く当て、口も鼻も塞ぐ有様。感染ると思われ、あらか様に避ける人々。ソレは館に仕える召使い達もそう。
両親と年離れた妹と、未だに
『坊っちゃん』と呼ぶ乳母やだけは違っていたけれど。
これでは将来に差し障ると慌てた、都会生まれの両親がさる筋を頼り、街中の館から空気の良い静かな田舎の屋敷へと、乳母を伴い静養に出された。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 06:00:00
8678文字
会話率:35%
俺は『天才』を嫌悪する。
11歳の時、自分が「凡人である」と明確に理解した。
きっかけとなったのは、クラスに転校してきた白月蒼子という一人の少女。
彼女が持つ類まれなる才能を目の当たりにした俺は、生まれて初めて『天才』を実感した。
それ
と同時に、自分は決して『天才』にはなれない。一生凡人のままであるということを理解してしまった。
そんな『天才』を目の当たりにした俺にあったのは、感嘆でも驚愕でも羨望でもなく、
——『嫌悪』だった。
そして、彼女はそんな『天才』に対して強い嫌悪感を抱くようになった俺に、わけもなく付き纏うようになった。
あれから6年。
高校2年生になった俺は未だに彼女に付き纏われていた。
「ねぇ——」
「うるせぇ。話かけんじゃねぇ。天才が感染る」
これは『天才』を嫌悪する凡人と、『凡人』に憧れる天才の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-20 17:04:49
245895文字
会話率:35%
兵器と少年と破滅の進む世界の物語。※投稿間隔不定期、初心者執筆ですがよろしくおねがいします。
最終更新:2014-04-13 21:49:37
2496文字
会話率:48%