山瀬裕一郎は、小さい頃から母方に田の手伝いをしていた。自分の家が専業農家ではないので、簡単な遊びを兼ねた手伝いである。
山の中にある、そこは釣りができ、山遊びができる裕一郎にとっては格好の遊び場でもあった。
ある時、釣りをしていた裕一
郎の側に同い年くらいの女の子が声をかけてきた。ちょっと振り向いて話をしていたが、魚がエサに食いついて夢中になっている間に、その子は消えた。そう消えたのだった。
それから四年後、裕一郎は長陽高校に入学したが、入学してから二か月後、うっすらと記憶の残る顔が、学内にいた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-07 17:39:03
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