禁忌の儀式って、私がしたんじゃないのに……
その光景を瞳に映すだけで何もできずに見ていることしか出来なかった。
友の、母の、父の、知り合いの、その命がなくなるその時まで、身動きも、まばたきも出来ずに瞳に映し続けた。私自身、胸を貫かれ
溢れる血液が温かいと感じる中で死の訪れを待っていることしか出来なかった。大量虐殺により同族の命を奪われた理由は『大罪の化身を呼び出す生贄とするために丁度良かった』から。”災厄の悪夢”としか呼べない大量虐殺犯は禁断の儀式で召喚した『何か』と共に飛び立っていってしまった。
けれど、”災厄の悪夢”に呼応し召喚されたのは大罪の化身じゃなかったらしいの。誰もいなくなり、死の間際に瞳が映す魔法陣の中央で”災厄の悪夢”を「儀式だけで望みが叶うと思うなんて莫迦にしてるわね」と嘲笑うように現れた真の『大罪の化身』に憑かれてしまった私。私はただ平和に、穏やかに、人並みに、いつか素敵な旦那様を捕まえて小さな家庭を切り盛りするのが夢だったのに・・・・・・なんで私に憑いてくるのよ!?禁忌の儀式してアンタ呼んだの私じゃないのに!!!
禁断の儀式で呼び出された大罪の化身を宿し、何もかもを失ったけど私が悪い訳じゃないんだから!きっちり復讐をして、普通に幸せになりたいの!小さくとも温かい平和な日々を過ごしていきたいの!!これは、種族絶滅という禁断の儀式で呼び出された『大罪の化身セルティ』と、セルティを身に宿した『ちょっと殺意高めな女の子リーフ』の復讐と幸せを掴むための物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-19 00:24:56
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会話率:61%