佐伯春夫は、26歳になる文房具会社で働く営業マンである。
会社名は、「フェルシアーノ株式会社」である。その会社にニューハーフクラブで働いていた人間が入社した。会社では、あくまで女子社員として働くことになったのだが、配属は営業部、西野明美
の名前で名刺も作られた。春夫は、年齢も同じこともあって、営業部員としての子守役を命じられる。
明美は、営業の仕事を頑張るが、働いていたニューハーフクラブでは、ホステスと同時にダンサーとしてセンターをになっていたことが明らかになる。なぜ、ニューハーフクラブをやめたのか?
春夫は、名古屋の大学の大学院で学ぶ遠距離恋愛中の永井冴子を時にな気も記させながらも。トランスジェンダーとしての明美の心の葛藤とも向き合うことになるのだった。
*青春小説であると同時にトランスジェンダー小説と作者は考えております。
*トランスジェンダーのトイレの問題、同性婚、性適合性手術などあくまでストーリーの進行を合わせて余り深刻にならないよう盛り込んであります。
*19時10分、22時10分、毎日2回のアップを予定しておりますが、変更の可能性もあります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-07 19:10:00
123870文字
会話率:56%
性同一性障害とは何か……。
生まれながらに女の心を持ちながら、動物分類上の男として生きるということは何なのか。
初めて口紅を塗った日、父親から死の恐怖を感じるほどの暴力を受け、自分が女であることを隠し続け自ら不良の仲間入りをし暴走族の一員と
なった「よしかず」
どんなに自分の心の中を隠し通したとしても、自分の心の中にある性別が女であることに変わりなかった。
暴走族のサブリーダー相沢龍也に恋心を抱き続け特攻服を着て夜の街を走り回ったよしかず……。
しかし、チーム内で起きたある事件をきっかけに大きな抗争となり、相沢龍也は警察に捕まってしまった。
それから10年……地元の一切の人間関係を断ち切り、性同一性障害である自分が、最も自分らしく生きられる新宿二丁目に移り住み女として生きていく決心をし、ニューハーフのお店クラブ「will」に住み込みで働きだした。
よしかずという名前も捨て「美和」と改名し女の姿で働きだした美和……。
その店で、初めてついたヤクザの祖親分の席……VIPルームのその片隅に座っていた親分付きの若い衆……。
そこにいたのは10年の歳月で変わり果てた姿となった龍也だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-12 22:14:51
67767文字
会話率:33%