商人が多く集まる港街の端に、小さな店を構える親子が居る。
『エチゴヤ』
そんな不思議な名前のその店は、切り盛りしている親子の人柄に、可笑しな品揃え、そして其処で購入した品によって巻き起こる奇跡の噂によって、客足が途絶えることは無い。
「幸
せのお裾分け」
それが始まりの合図だった。
人ではない彼女が、誰も自分を知らない世界で、自分の役目を果たしていく。
そこには少しだけ、以前には手に入れることが不可能だった『自分の幸せ』を含ませながら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-05 21:26:46
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