「でたな! 魔王、今日こそ決着をつける!」
「ハハッ! 言うではないか勇者風情が!」
「うるせぇ! 店の前で変な事してんじゃねぇ!」
「「ひぅ、すいません」」
俺と魔王はまるで息の合った夫婦の如く同時に店員へと土下座をする。
俺は勇
者……すでに自分の名前なんて覚えていない。
俺と魔王はある事情により四百年戦い続け人類と魔族の幸せを願っていた。
そして四百年ぶりに外に出ると……そこには俺達は不要な存在になっていた。
ちょっとひどくない?
そんな事を思いつつ俺は仕方なく元仲間の魔法使いの家で厄介になり、職を探すが見つからない。
そんな中、俺が四百年という長い間戦い続ける原因になった小さな神様の提案により、勇者と魔王が必要とされる世界に転移することになる。
俺達一行が転移した先で見たのは…………誰でも勇者になれる世界――
俺はそこで勇者の最高のランクである「神話級」と言われる。
だが俺は「世界を救う者」にはすでに興味がなく、ファルス王国でどうやってのんびりと過ごせるかを考える。
魔王と魔法使いの末っ子、そしてファルス王国で仲間になった二人の女性と共に色々なクエストをこなしていく。
時には勇者らしからぬ卑怯な手も使いながら、俺はどうしたら楽にこの世界で生きていけるかを考えつつ聖剣を片手に握りしめ、リンゴ酒を飲みながら戦い続ける。
前のタイトル:勇者と魔王は穀潰し ――異世界行ったら本気出す? 冗談はよしてくれ――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-10 15:23:37
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