現代日本のごく一般的な倫理感をもつ普通の男が
異界に落ちて、混乱しながら、また、流されるままに
徐々に歪んでいく。
そんな自分に戸惑い、悩みながらも
結局、平凡であったが故に抗えきれず
己の中心を見失い、大事なモノが手から零れていく。
その恐れ、不安から目をそらすように
時に、これが己の望みなのだ、と飲み込もうとしたり
時に、これは仕方がないのだ、と開き直ったりしながら
流され、狂っていったその記録。
そして、そんな姿を傍で、ただ見守り続けた女の記憶。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 00:00:00
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会話率:4%