〝彼女〟の事を母、ではなく〝姉〟と呼ぶようになったのは何時からだったろうか・・・?
オレは思案した。
どこまでも続く白い大地、頭上には灰色の空。
頭上は外界の地下である事を示す厚い岩盤に覆われ、足元は真っ白な骨が散らばっている。
遥か先で空
と地は交わり、その境界は定かではない・・・
そんな世界に俺は住んでいた。
それも一週間前までの話、なのだが・・・。
〝崇り神〟・・・超位存在と呼ばれる〝姉〟に地下世界〝聖域〟で育てられた少年・鏡谷リョウはある事を境として地上、つまりは〝外界〟で奇妙な共同生活を送ることになる。
ある〝後悔〟を胸に彼は帰還を試みるが・・・
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-03-02 18:48:38
14887文字
会話率:30%
夏休み、見津信吾は、父の転勤で、初めて本州西部に引っ越した。
その地方では、子供の為の「地蔵盆」と言う伝統行事が行われている。
地蔵尊が祀られる古いお堂が、十年前に新設された中学校の敷地内にある。
地元民から「御利益がある」、と信
仰を集める一方で、「崇りを成す」、と恐れられてもいた。
学校と地域、それぞれが伝える地蔵堂にまつわる話の真相が明らかに……
企画夏のホラー2015用に書いた話。自サイト「数多の花」に再掲。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-27 10:00:00
28273文字
会話率:31%
いじめ――――それはどんな社会集団でも起こり得る、人間の負の感情の顕れ。
誰かをいじめている人間は何も知らないし、知ろうともしないものだ。いじめられている人間がそういった心ない行為によってどれほどまでに傷付けられているのかを。
たとえ
、それが死を生み出そうとも。
たとえ、それが更なる悲劇を生み出そうとも。
祟り――――それは、ある行為の報いとして起こる災いのこと。
それは、きっと何も知ろうとしなかった自分達に対する報復なのだろう、と。
それに気付くのに、何もかもが遅すぎたのだ――。
(夏のホラー2012出展作品です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-13 12:00:00
7482文字
会話率:24%