春一番。
立春から春分までの間に初めて吹く、暖かく、強い南よりの風のこと。
即ち、漫画や小説などのサービスショットとして都合良く吹く風のことであり、スカートを着用する女子中学生の敵である。
閑話休題。
春。
横断歩道を渡り、
コンビニエンスストアの先のT字路を右折すれば、左手に見えてくるのが私たちの学びや。
県立繚乱中学校。
正門をくぐれば、左手には青々としたイチョウの葉が木陰を作り、右手には体育館が見える。その体育館の隣。駐車場の中央に設置された巨大な一本桜。
その一本桜の下で結ばれた二人は永遠に離れることはない。
という、どこの学園にでもあるような、よくある都市伝説を持つ一本桜。
春の暖かな風が吹き抜け、その伝説の一本桜の花びらが華麗に舞う。
ふいに強めの風がふき、平山秋子は思わず目を瞑り、風に靡く、長い髪とスカートを軽く抑える。
風がおさまり、瞳を開けた次の瞬間。
「あっ―――」
平山秋子は恋をした。
※この物語では、異世界に転生することはありません。予めご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-08 21:00:00
1471文字
会話率:36%
高校一年生の少年は、夏季休暇の課題の始末に追われていた。
残すは数学の問題集のみとなったのだが……
誰にでも起こり得るかもしれない物語。
最終更新:2013-04-18 20:36:09
2097文字
会話率:5%