その子供は、大人になりたかった。
師匠のようなかっこいい大人に。
家の電話が鳴り、家にひとりきりだった子供は受話器を取ると、それは依頼の電話だった。
子供は気付く。
師匠の仕事の始まりは、いつもこの電話からだったと。
我慢しきれなかった子供
は、師匠の真似をして依頼を片手に高速バスに乗り込んだ。
もう何でも出来る気でいる子供は、ちゃんと目的地へ行くためのチケットも買えるし、一人でバス乗り場にだって行ける。
バスに乗ってからだってちゃんと師匠みたいに愚痴だって言える。
乗るバスを壊滅的に間違えた以外は……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-12 12:22:07
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