「四十を過ぎて尚、パーカーを身に纏うおじは、狂人以外の何者でもない」
妹のユウナがTwitterに投稿したその一文は、瞬く間にバズった。
クローゼットの前に立ち尽くす彼は、内心で問答を繰り返していた。スーツとネクタイを選ぶべきか、それともパ
ーカーを選ぶべきか。
彼にとってパーカーは、青春の名残であり、敗北を知らなかった頃の自己への誇りだった。
やがて彼は、スーツをハンガーに戻し、意を決してパーカーを手に取った。ユウナの嘲笑にも似た言葉、そしてそれに追随する周囲の目に囚われるのを拒み、自分らしさを貫くと心に決めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-13 10:21:18
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