「殺させるわけないだろう? 君は、私の『運命』なのだから」
私は、ブラン一族の嫡女・リラ。
五歳の時に敵対するランダナ王国軍に一族が滅ぼされた後、訳あって王国貴族のラルージュ公爵に引き取られてひっそりと育った。
だが、十五歳の今、王国
に未だに巣食うブラン憎しの感情に染まった人間たちに見つかって、無実の罪で断頭台へと送られようとしていた。
そこに現れたのは、シエル王太子殿下。
なんでも、私は王太子の『運命の伴侶』らしい。
王国とブランの真の友誼を願う王太子の想いに共鳴した私は、王太子妃として彼とともに立ちあがる。
次第に心を通わせていく私たちだったが、その影で「決して災害が起こらない」はずの王国に未曾有の天災が迫っていて――。
これは、中世西洋風魔法世界で繰り広げられる、敵対してきた家に生まれた二人の戦いの軌跡。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-25 18:00:00
50331文字
会話率:21%