地方都市在住女子高生、海衣は不満を溜め込んでいた。あまりにも周りがつまらない。私の大好きな異世界転生の主人公は私にこそ相応しいのだ。だって、ここは平和な現代世界だもん――幕が開けたこの瞬間からは、言い切れはしない。
神は告げる、これから舞台
は劇的に変貌すると。この物語は世界自体の異世界転向への始まりだと。突如出現するドラゴン、破壊される町、供給の途絶えた物資、文明の光は弱まっていくばかり。荒れ狂う世界に人類が翻弄されるなか、世界から排斥されてきた少女たちは一つの城に集っていた。そこに海衣も加わり、明日の命さえ保障されぬ全力疾走操作不能の現実で、必死に生き抜こうと足掻く。国の行く末を背負った任務、触れかける世界の真実、人々の先導、もちろん日々のドタバタまで。少女たちの手のひらに、世界の向かう道は託される。
生活に、記憶に、大人に、世界の脅威に振り回される末に、少女たちは何を見るのか。
この作品はカクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-08 18:24:55
28734文字
会話率:39%
地方在住のミステリー作家の俺は普段、朝早起きし、原稿に向かっていた。十一年前に書き手になり、朝型の健康的なスタイルで日々執筆する。今一部数が出ず、売れないままで来ていた。余暇はテレビ鑑賞か読書などに充てている。いつも午後三時には仕事を終え
、余った時間は好きなことをしていた。本を書く仕事をしていても、雑誌連載のわずかな原稿料と印税で暮らしていたのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-16 14:05:16
179494文字
会話率:1%