ハル・カルパンティエは、ボワモルウチェ王国の王女である。同国の国王は、彼女の同腹の兄のフィリップ。「白薔薇の貴公子」と異名を持つ、それはもう美しく聡明な兄である。が、彼はハルの悩みのタネだった。なぜなら、超々シスコンだから。どうしようもなく
妹を溺愛するおバカな兄なのだ。そんな兄フィリップが、政略結婚の為バタンテール帝国の皇女を迎えることに。当然、兄フィリップは結婚を拒否するわけで……。無情にも結婚相手の皇女がやってきた。皇女は、この大陸一の美貌の持ち主で才女と誉れ高い。
その皇女イヴェット・バダンテールに執事のふりをしてくっついてきたのは、皇女の兄でありバタンテール帝国の皇帝ジェラルド・バタンテールだった。しかも、ジェラルドもまた超々シスコンだった。
「なんなの? 面倒くさいのが一人増えたわ」
ハルは呆れ返る。
しかも、政略結婚の対象はハルの兄フィリップと皇女イヴェットだけではなかった。
ハルと皇帝ジェラルドも対象だった。
「嘘、でしょう?」
ハルは、戸惑う。
それでも、目先の兄フィリップの婚儀をどうにかしなければ。自分より、兄に幸せになってもらいたいから。
健気な妹たちと、能天気なシスコン兄たちが織り成すラブ(コメディ)ストーリー、いざ開幕。
※全三十六話。ハッピーエンド確約です。ゆるゆる設定、ご容赦下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-18 00:00:00
59146文字
会話率:22%