高校二年生になるまでの間、地味なせいか一切出会いの無かった男こと、神宮寺善慈。
そんな俺は『青春』とはいったい何であるか、という疑問をいつしか抱くようになっていた。
桜の花びら舞い散る始業式の日。教師の榊原海音から数学の成績改善のための
"特別補習プログラム"を受けるようにと命じられるのだが。それが同級生であり講師の、――【氷の女王】として名高い黒川紅涼との出会いのきっかけになるのであった。
黒川と過ごす放課後の些細な時間。俺の幼馴染を自称する星ヶ丘花蓮の悩みに巻き込まれ。はたまたスクールカースト上位の伏見咲夕と、黒川が密かに抱えるトラウマ。
たった一週間という短い時間だが、間近で黒川紅涼という女子に触れる中で、『青春』を経験していったのだと思う。
※「せめて青春の意義を知るまでは」のサイドストーリーです。
本作単独でも拝読可能なストーリーとなっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-28 21:00:00
88858文字
会話率:47%