ただでさえ不遇だった少年は、選んでしまった。ハーフエルフとドワーフのハーフ『ハードエルフ』という、とびっきりの不遇種族を。よりにもよってこの、常識ハズレにリアル過ぎるVRゲームで。その段階で既にゲームではなくなっていた。
そもそもこの
ゲームはリアル過ぎるので『ゲーム的なイベント』なんて用意されていない。『Fスキル』という、運命を転がすスキルが必要となる。そのFスキルに振り回されるうちに不遇少年は知る事となる。このゲーム世界は『生きた世界』なのだと。
全てのNPCには現実の人類と違わぬ生理現象があり、自我があり、系譜があり、全ての文明が彼らNPC達が先祖から連綿として発展させてきたものだった。
不遇少年は思い知ることになるのだ。そんなリアル過ぎる世界で『転生して赤ん坊からプレイする』という形でダイブし、『Fスキル』なんていう正体不明なものに振り回され生きる事が、どれほどに困難なものであるかを。
リアルなのだから五感もある。排泄もするし、発汗もするし、子供だって産める。なので、プレイヤーだって痛覚もフルオン。死刑もあれば拷問もある未開文明で、しかも千年単位で世代を重ね構築された歴史の中で、培われた人間模様などというものは、そうそう読み解けるものではない。一歩でも誤り踏み外せばそこは地雷だらけという鬼仕様。それが『テンセイライフオンライン』というゲームだった。
VRモノでもあり、異世界転生モノでもありますが、ジャンルとしては『成長モノ』だと思って描いてます。
主人公は不遇を跳ね返してどんどん強くしていきたいのですが、ただそれだけでは人間的強さは得られないと思うのです。どんな事を経験してどんなことを思い悩み、学んで『本当の強さ』を身に付けていったのかをリアルに描きたいと思ってます。
字数はライトミドルな感じで2千字台〜5千字台を目指しますが、クライマックスや転換期などは字数が嵩張る場合もございます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-31 07:02:45
279624文字
会話率:16%