好きな人の家が燃えた――ので、ルームシェアに誘ってみた。常識人の彼、鳴川は付き合ってもいない男女が同居するのは問題があると言う。
「でも鳴川、私に興味ないじゃん」
「………………うん、そーね」
それでも鳴川はうなずいてくれない。「す、好
き、じゃなくても興味なくても、男は色々できちゃうもんなの!」という正論を打ち崩せる気もしない。
しかし、まったく私に興味のない彼が意識してくれるようになるかもしれないこのチャンス、逃すわけにはいかなかった。人の家が燃えたのにチャンスとか言っちゃだめだけど……!
「じゃあ一ヶ月お試しでやって、その間私になんにもしなかったら、私にできることならなんでもしてあげるから!」
「……なんでも?」
危機感が死滅している女の子と、好きな子と一緒に暮らせることに喜べばいいのか危機感のなさに怒ればいいのか落ち込めばいいのか何だかよくわかんなくなる男の子。そんな両片想いの大学生男女が、同居をきっかけにくっつくお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-16 23:02:25
10873文字
会話率:50%