小説家を目指す“俺”こと相馬力弥(十四歳)は、ある日突然自分の書いた物語のキャラクターと身体が入れ替わってしまった。
それならそれで悪くない。スクールカースト底辺でいるよりかはきっとこちらの方が俺に合っている。何せ自分の作った世界
なのだからな。俺はここで本来の使命を果たすんだ。
……って、夢だってわかってるけどね☆
さぁて、早速世界を救いに行きますか!
そう意気込んだのはほんの束の間のこと。
鏡に向かって茫然自失。あちら側にはにんまり不敵な笑みを浮かべた俺が居る。よりによって俺と入れ替わったのは悪の組織を率いる『ダークネス・シャドウ』だったのだ。
俺は勇者たちが世界を平和に導く話が書きたかったはずだ。それなのに!
しかも夢じゃないだって!?
容赦なく降りかかる攻撃に頭を抱えて怯える日々。生みの親に向かってなんてことをするんだ、勇者たちよ!
俺を崇め、世界征服の実現を心待ちにする手下たち。その期待が重い!
鏡越しに俺のネーミングセンスをディスるダークネス・シャドウ。そんな悪役に育てた覚えはありません!!
やがて悪役を演じることになった俺と、俺役を演じることになったダークネス・シャドウとの間に奇妙な絆(?)が生まれ始める。そして実に根本的な壁にぶち当たったとき、二人の導き出した結論は……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-16 15:44:25
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会話率:46%