りせは13歳。神祖の時代から続く山の旅籠屋の娘だ。
彼女には密かに想う人がいる。
時雨。同じ旅籠で兄弟のように育った幼馴染。
山と海の彼方に憧れを頂く、心に羽を持った少年。
“山閉じの祭り”の夜にりせは箒星が雨のように降るのを見る。
箒星の
光に打たれたはずの時雨は目を覚ますと奇妙に大人びていて―――。
「今夜、山賊が山に来る。僕に協力してくれないか?」
彼方への憧れを抱き続けた少年の影と
少年の後ろ姿を見つめ続けた少女の
時の彼方を越えた“想い”の物語。
※この小説は「カクヨム」にも掲載しています(こちらは台詞の前に改行ありです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-08 00:11:31
35807文字
会話率:42%