『魔術師死すべし――』
地表の大部分が砂に没した世界。わずかに生き残った人間たちは魔力を帯びた水を使い砂漠を緑化し、都市を建設し再び繁栄の時を迎えていた。
そして彼らの栄華の足元には、都市の中枢である『水源』との接触により人智を超え
た力を得た二種類の魔術師たちがいた。
一方は安全管理の名のもとに都市の奴隷となったドミネイテッド。
そしてもう一方は誰からの支配も受けず、命の危険を代償に都市間を渡り歩くアウトレイジャス。
――彼ら魔術師は人々から『化け物』と呼ばれ、忌み嫌われていた。
時は水源を堅固な城塞で鎧った十の都市が、三十の小都市を従えた時代。
砂漠がもたらす飢えと渇きからようやく解放された人間たちは母都市の更なる隆盛のために動きだす。
――新たなる城塞建設を中心に策謀を巡らせる諸都市の思惑の一方、拠るべき都市すら持たない四人の冒険者たちが砂に覆われた世界をさまよっていた。
アウトレイジャスの魔術師スキーグ、槍遣いの少女ケドバ、水読みの巫女ススリ、そしてアラヤ。
時には対立し別れ、あるいは集結しつつ、それと知らず四人は世界に隠された残酷な真実へと肉薄してゆく。
*一年と一ヶ月ぶりに更新いたしました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-03-07 01:30:18
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会話率:26%