これは、神と僕の物語である。
「貴様は一体何が欲しい?」
「…優しさです。」
「覚悟はあるのか?」
「えっ?」
「何かを得る為には何かを失わねばならぬ。昔何かの本にそう書いてあった。」
「はあ…。」
「優しさ。別の言い方で言ってみろ。」
「
まごころ。」
「そんなんじゃない。」
「強さ。」
「馬鹿なのか?」
「じゃあ、何?」
「心の温かさ。」
「え?」
「そう言ってみ?」
「…心の温かさ。」
「正解。」
「はあ…。」
「で、話を戻すが、何かを得る為には何かを失わねばならぬ。お前が心の温かさを得る為に失うもの、それは何だと思う?」
「何ですか?」
「熱だ。」
「はい?」
「熱だよ。体温。体の温かさ。」
「はあ…。」
「簡単だよ。体の熱を心の熱に換えるだけだ。」その日から僕の体温は下がっていく。
(感想、レビュー大募集。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-31 20:48:09
12449文字
会話率:60%