ある春の日、全人類が蛹になった。と言うと、少し語弊があるかもしれない。なぜなら、おれは蛹になっていないからだ。となると、もしかしたら他にも蛹になっていない人がいるかもしれないが、おれにはそれを確かめる術がない。インターネットは苦手で、定年
退職してからのおれの世界はこの町だけで完結していた。スーパーや近所の商店、図書館、自宅。これだけで十分だと思っていたのだ。
今、そのおれの世界はすっかり静まり返っている。テレビはどの局も映らなくなり、駅まで歩いても誰一人いない。ただ、人間がいた唯一の証拠として、蛹が電柱のそばや車、店の中に点々とあるだけだ。蛹の色はそれぞれ異なり、白い壁のそばにあるものは白く、道路に横たわるものは灰色と、保護色になっている。大きさはドラム缶くらいで、形は少し枝豆に似ている。触ると少し硬かった。
長年連れ添った妻も、何も言わずに蛹になってしまった。いったいどうしてこんなことになったのか。人類の進化の一環なのだろうか。だとしたら、なぜおれは蛹にならないのだろう? 思い返しても、ただ一つ不自然だと感じたのは、普段食の細い妻がやたらとよく食べるようになったことくらいだ。
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最終更新:2024-09-20 11:00:00
3027文字
会話率:13%
退屈な仕事にうんざりしていた犬神は、公園で見かけた「緑色の男」に声をかける。
男は猫と戯れる動画を扱うユーチューバーだった。
男の頼みで、結婚式場での撮影を許可する犬神。
しかし、緑色の男と約束した日に、元カノの結婚式がバッティングしてしま
う。
狂気じみた緑色の男の正体とは?
犬神が元カノの結婚式を見て、だした結論とは?
波乱と錯乱のウエディング小説を見届けろ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-20 22:00:00
8935文字
会話率:34%
アイズと呼ばれる異能を持つ者たちが通う魔法学園『トロナデオン』。
そこの生徒であり、『保護色』という異能〈アイズ〉を持つ青年メレズィム・プラオーン。幼い頃より周りに合わせて生きてきた彼は漠然と変化を望みながらも代わり映えしない日常を過ごし
ていた。
そんな中、メレズィムは友人との話の流れで学期末にある戦闘実技トーナメントに参加することになってしまう。
しかも、その対戦相手は最近になって急激に学園で頭角を現してきたとある少女。学園上位陣にも黒星を突きつけるという少女にメレズィムは内心挫けつつも、友人からの応援の手前敵情視察に向かう。
そこで彼は件の少女を見てあることに気付くのであった。
「……あの異能俺には利かなくねえか?」
これは、実はチートだった系異能とその台頭によって舞台へ上がることとなった中堅所の異能を持つ者たちで描かれる物語である。
「さあ、色鮮やかに───」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-03 23:49:39
22903文字
会話率:60%
凄く短いです。
誰かさんの会心作です!
これは、ミステリーではありません、ッポイ何かです。
トリックを見破るのではなく、トリックを仕掛け終わるところまでを、犯人の側の視点で描いています。つまり”謎”は全くありません。謎が生まれるまでの
お話です。
事件は起きません。いわゆるコージーミステリー(日常生活の何気ない謎を描いたミステリー)っぽいものです。
謎はないのですが、ちょっとぼかして書いているので、読み取ってくださいね。
ほんとに短いので、ぜひ読んでください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-08 06:09:54
463文字
会話率:50%
タイトル通り日記です。
変人で偏人な自分のその日の出来事やそれに伴った思ったことを書いていくだけの日記です。
文はよく読みますが、書くのは初挑戦なので、誤字脱字や句読点の場所がおかしいとかいうのがあったら、ご指摘をお願いします。
内容につ
いてなのですが、最初とてもシリアスですが、他は書いた日の気分によって変わりますがシリアスにはほぼなりません。
なぜなら自分がシリアスが苦手だからです。
長くなりましたが、読んでいただけたら幸いです。
自分の世界は独特だと思うので理解はされないかと思いますが、少しでも楽しんでいただけたらと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-24 21:43:47
802文字
会話率:0%
「桜並木」、「保護色」、「紅葉」というお題を出されてしまったので、そのお題を全て入れて短編を書きました。
なんかすいません……。
最終更新:2015-07-07 21:37:00
2041文字
会話率:50%