ある春の日のこと。澄み渡る空の一角ににわかに五色の雲が現れたかと思うと、天より至高の瑞獣が舞い降りた。空を翔け地に降り立つ威風堂々たるその姿。まさしく、伝え聞く龍という生き物であった。鮮やかな赤色の瞳を前にして、人々は皆自然に平伏したとい
う。村から世話をする娘が選び出されると、娘は身を尽くしてこれに仕えた。龍はなかなか帰ろうとせず、娘を大いに困らせたそうな。――――そんな感じで後世に伝わっているかもしれない、ラブコメです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-25 20:11:38
13102文字
会話率:36%