「いま、なんて?」
三度の飯――四雲で一番美味しいと話題の紋香亭の焼饅頭よりも、この国の者であれば誰でも特別な気分になれるだろうと言われている天地祭よりも、十一年前の付き合いになる幼馴染兼婚約者との月に一度の茶会よりも読書を愛する彼が、
一冊も本を持ってこなかった段階で嫌な予感はしていた。
「僕との婚約をなかったことにしてほしい」
心が通じ合っているはずの幼馴染みから切り出された婚約破棄。
……こんなの可能(アリ)?
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【四雲天国妖詩篇】というシリーズの第一弾。
三度の飯より読書が好きな男の子と、
そんな男の子が世界で一番大好きなのに婚約破棄されてしまった女の子の
なんやかんやありつつ幸せになるための物語。
※作中に多少流血表現があります。グロテスクとまではいかない表現ですが、一応R15をつけておきます。苦手な方はご注意ください。
※pixivにも掲載しています(一部先行配信予定)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-07 07:32:04
147685文字
会話率:39%