廃棄物をガス化して熱源とし、食品廃棄物を炭化する東洋エナジアは、時代を先取りする理想のリサイクル施設としてスタートし、国の補助金15億円も得ていた。しかし、先代の社長は補助金を横領して姿をくらまし、会社を買収した新社長はヤクザだった。先代社
長時代からの専務と新社長に会社は事実上二分され、二重帳簿となっていた。施設は故障続きで修繕もままならず、入荷した廃棄物はすべて不法投棄されていた。伊刈は連日の立入で不法投棄を止めようとし、ヘリコプターによる監視まで実施した。ついに東洋エナジアは倒産し、電気も電話も止まっていしまう。
国の補助金を受けながら倒産した食品リサイクル施設としては、セブン&アイホールディングスと提携して期限切れ弁当を肥・飼料化しようとしたアグリガイアシステムが有名だが、このファイルのモデルとなった事件はそれより10年前に起こっている。また2016年にはまだ記憶に新しいCoCo壱番屋廃棄冷凍カツ転売事件(拙著「食品廃棄の裏側」(日経BP社)に詳しく背景を論じた。)が起こった。問題は繰り返すようである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-26 22:07:32
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