…なにが、間違っていたのだろうか…?
ぼんやりと霞む視界、重い手足。
「…、…」
ああ、そうか。術封じの手枷に足枷のせいだ…。首輪にボロボロのローブに身を包んだ俺。それが今の俺だ。まるで他人事のように思える。どうでもいい、自分よりも大切な…
そう、大切な人がいたから。
ひとりの愛しい人の姿が浮かぶ。
『凪斗…』
途端に視界が広がった。
ああ、俺の、一番…大切な…。自然と笑みが浮かぶ。彼女の事を考えると幸せになるんだ…。誰よりも何よりも俺の大切な…。
ふと視線を感じた。その視線は…聖騎士の後ろから覗きこんでいた彼女だった。彼女を見つけて嬉しくて笑顔になる。だけど俺と目が合った途端に、ふいっと顔を背けた。
なんだよ、それ…。
ガチャ…と鎖の音。
「…?」
何だ、これ…?
枷どころか封術鎖で地面に縛り付けられてる。そして周りは聖騎士隊に囲まれているじゃないか…!
一歩も動けない状態だった。
「…」
俺を悪しきモノとして扱う聖騎士隊。
まさか、俺が君を襲うとーー…??
「…ティアラ…」
…愛しい彼女の名を呼んでしまう。その途端に彼女はカタカタ…と震え始めた。
「…っ、…」
怯えてる、俺に…?
そんな彼女を、そっと抱きしめるのは聖騎士隊長のハーブだった。俺達は親友だ、そう言っていたのに…!彼女の傍らには常にハーブがいた。
「…、…っ…」
悔しいが、まるで寄り添う二人は絵画のようだった。美男美女でお似合いのふたりだと噂されただけはある。噂だけだと思ってたのは俺だけでふたりは心通わせ恋人へとなっていた。
「せめて…友として、あの世におくってやろう」
スラリと構えた剣に俺は嘘だろう…と呟いた。ギラリと輝く、それ。なんだ、それ…俺は…俺は…、親友だと言ったのは嘘だったのか!
守護獣として尽くしてきた聖女の裏切り、親友と信じていたハーブにも見放された凪斗。過去に戻りやり直しする物語。本当の愛を見つけられるか?
この作品の元はpixivにも掲載されています。こちらは少し物語を付け加えています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-15 22:06:17
11524文字
会話率:28%
アニオタの主人公あくたは、現実に嫌気がさしていた。そんな折、夜道で少女を引いてしまい、少女は病院で息を引き取る。しかし翌朝彼の元に一通のレターが届く。それは死んだ少女からだった。彼女は元々ここではない異世界の住人で、その異世界が他の異世界に
戦争を仕掛けて大変な事になっているという。少女は次の標的であるあくたの世界に神様の命で転生し、自分を殺した人物に今度は神となって手引きし、問題の異世界へ転生する手助けをするという。後はその世界の住民になりすまし、溶け込み、きたる戦争に備える。撹乱の役割。英雄は別にいるのかもしれない。でもアニメのような世界に行けるなら、死んでみるのもいいかもしれない。
命掛けのギャンブルの先にあくたがみたものは、殺殺殺。24時間尽きることのない殺戮の世界だった。
もちろん、被害者はあくた一人である。今のところ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-24 19:05:00
7795文字
会話率:20%
みんな知ってるか感づくかして、誰も触れない所
そこにあえて疑問をぶつける彼女と、もう、一歩も動けない彼の会話
キーワード:
最終更新:2015-11-05 21:18:40
1079文字
会話率:0%