古びたラジオが淡々と流す、水没のニュース。錆びた電波塔の下、世界は止まない雨に閉ざされて終末を待っている。しけた煙草を咥えて古い団地のベランダから釣り糸を垂れるぼくのところにボートに乗って訪ねてくるのは、おせっかいな町内会、そして陽気な動物
たち。ある日、部屋の隅で忘れられていた黒電話が鳴って――
作楽シン様主催『終末アンソロジー”終わりの世界を君と歩く”』収録作品。
(この作品はカクヨムさんにも投稿予定です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-31 18:06:03
7220文字
会話率:25%