27歳の芦川東次はすっかりアラサーになり、仕事に追われるだけの退屈な人生を過ごすようになっていた。
そんな彼の下に「幼馴染の栗原鈴が自殺した」という訃報が届く。
鈴は子供の頃からの付き合いで、オタク文化華やかだった学生の頃はかけがえの
ないオタク仲間でもあった。
しかし鈴は婚約者にオタクなことがバレて酷いフラれ方をしており、それが原因で自ら命を絶ってしまったのだ。
幼馴染の死にショックを電話で聞いた東次は近づいてくる車に気付かず、そのまま轢かれて意識を失ってしまう。
そして目が覚めると――そこは10年前の学生時代だった。
「どったの? 電話トースター(仮)使ったおきりんみたいな顔してるけど?」
目の前には、あの頃の鈴の姿。
それを見た東次は決意する。
いずれオタク趣味が鈴を殺すのなら、今の内にオタクから卒業させてしまおう。
二次元ではなくリアルに目を向けるリア充になれば、きっと幸せな未来にできるはずだ!
そう考えた東次は鈴をリア充にすべく行動を開始するのだが……。
「ところで今時リア充って聞かねぇよな」
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※この作品は現在と過去を行き来する系のお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-05 12:00:00
12610文字
会話率:32%