気が付くと俺はこの世界のモブとして召喚されていた。
それも最弱といわれる歩兵種として。
3417というのがこちらで俺に与えられた名前だった。
ナンバーズとよばれるただの兵器として、俺はただひたすら監督官の命令に従って戦う。
ナンバーズは、従
順で、文句も言わない、生きた道具でしかない。
俺も、感情を切り取られたまま、まじめに戦闘をこなしていた。
そんなある日、俺たちの部隊は見習い監督官の下手な操作によって全滅する。
部隊で生き残ったのは俺も含め三人だけ。
上位種も導入されて使い道がなくなった俺たちを、監督官たちはお払い箱にし、実験的に辺境の村へ送ることを決定する。
そこで俺たちの面倒を見ることになったのは、ド素人の村娘だった。
即席の監督官の少女と暮らすうちに少しずつ自我と自由を取り戻していく。
「クリアテス戦記」というゲームを再現した奇妙な世界での冒険物語。
ただの駒としてゲームをそこに召喚された少年は、この世界の住人と触れ合いながら少しずつ成長していく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-03 07:00:00
222982文字
会話率:43%