主人公、有馬 志郎(ありま しろう)は異世界転生をした。
この話から、25年ほど前に・・・・・・。
彼は転生する際に、特典武器も能力も授からなかった。彼が唯一、受け取ったのは「前世での記憶」。
転生してからというもの、彼は血のにじむよ
うな努力を重ね、足りない頭を活かし、国の騎士団でもかなりの地位についた。そして騎士見習いの時から付き合いがあった、今は聖騎士の女性と結婚し、二児を授かった。
しかし彼いわく、そこまでに至る彼の努力の道も、命を懸けた激闘も、「小説ならばプロローグ程度で描き表せてしまう程度のこと」だそうだ。
だからこの話は、異世界転生した者の努力あり、友情あり、勝利ありのサクセスストーリー、
ではなく・・・・・・、
転生した者が成長しきって、父親になってからの日常?ストーリー。
もちろん、彼が騎士団という戦闘義務を課された地位にいる限り、その物語はただの日常ストーリーでは済まされないのだが・・・。
何はともあれ、彼にとっては家族を守り、家族と過ごすことが最上級の幸せだ。
だからこの物語のフィナーレはきっと魔王を倒したり、お姫様と結ばれたり・・・というエンドに落ち着くことはない。
既にそこそこの地位に立ち、誰かと結ばれた者の描く、変わり者ストーリー。ここに語る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-28 23:00:00
40194文字
会話率:48%