『流砂は人を呑み、人を繋げる。』
世界は地下からあふれ出した白い砂によって覆われた。
未曽有の大災害の中、人々は砂に浮かぶ壊れた家の屋根や、小型ボートの上での暮らしを余儀なくされていた。
そんな時――砂を割って巨大な石に支えられた
大陸が浮かび上がる。
後に楽園島と呼ばれる島は人々を大いに活気づけた。
だが、楽園島は砂面から離れて空中に浮かんでいく。
運良く楽園島の上に立った人間と、唖然と見上げるだけの人間が生まれた。
那須平(なすひら)は後者となった。
小さなゴミ島で楽園島の様子を窺いながら、奇妙な縁で那須平と生活を続ける三名。
自分の非力さを嘆きつつも、何とか前に進もうとする――久代朱里
仲間の為に自分にしかできない仕事を全うしようとする――平未久
楽園島にいるはずの娘を想い続ける――岩峰二郎
――四人は流砂を越えていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-11 07:00:00
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会話率:41%