34歳になった音楽教師・三ツ石真帆は、かつて青春を捧げた母校の音楽室へと帰ってきた。
埃をかぶった譜面台、止まったメトロノーム、そして床に落ちていた一枚の古びた譜面。
そこに書かれていたのは、あの夏――仲間たちと挑んだ吹奏楽コンクールの記録
だった。
あの頃、自分は誰かの音に支えられていた。
今度は、自分が“誰かの音”になる番。
『匂いの奥に、生きている証があった(通称:痛・セクスアリス)』のスピンオフとして描かれる、
“その後の三ツ石真帆”の物語。
音が消えた教室に、もう一度命の音を。
この一篇が、あなたの心に共鳴しますように。
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※シリーズ未読でも読めます。
懐かしい吹奏楽部の空気を感じたい方へおすすめです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 06:00:00
12325文字
会話率:14%