激化する人類と魔族による戦争により、貧富の差が拡大し、豊かだった世界はすっかり荒んでしまった。
そんな中、メリネという少女が"ある男"を保護していた。
その男――ヘイルは、なんと伝説的な殺し屋で、激化する戦争に伴っ
てその余りある戦闘力を買われ、魔族との戦争に駆り出されて兵士として活躍していた。
しかし、その最中に瀕死の重傷を負い、あともう少しで命を落とすというところでメリネに助けられたのだった。
ヘイルは助けてくれたメリネと、もはや故郷とも呼べる存在となった彼女の街――グレリアのために、ヘイルは自らの力の全てを使うと決心する。
ヘイルの活躍は凄まじく、世界が彼に注目し始めた。
世界に希望が見えたその一方で、ヘイルはある"呪い"を魔族によってかけられていることを知る。
その呪いとは「命を奪うと自分の命も削られる。しかも、解除方法は呪った魔族を殺すしかない」という最悪なものだった。
呪いのことを知り、魔族との戦いに出られない……というわけにもいかず、生きるか死ぬかの世界で起こった戦乱は、彼を決して待ってはくれなかった――。
殺せば命が削られる。……しかし、殺さなければ自分や大切な人が殺される。
そして、最強ではあるが、戦いの度に呪いのせいでボロボロになっていく主人公と、それを心配するヒロインたちの姿を描いた切なくも力強いファンタジーものです。
©2024 赤毛の人。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-21 18:09:02
9751文字
会話率:53%