小学4年生の横山浩二と早野良紀は、サッカーを通じて友情を深めていく。
幼い頃に両親を亡くして、祖父母と生活をしている良紀は、ひ弱で遠慮がちな性格で、そんな良紀を浩二が気に掛けて引っ張っていくのが二人の関係性だった。サッカーも友情も上手くい
っていた。
ある時、浩二と、その従姉の高校生の佳織は、自分の名前は良紀じゃないと告白され、彼の抱える問題を知る事になる。彼が遠慮して大人しくしているのは「良い子にしていないとお母さんが迎えに来ない」と、幼い頃から刷り込まれていて、彼の抱える問題の深さを知る。
浩二は、良紀の痣を見つけて、良紀を問い詰めるが、彼は認めずに口論になってしまう。
浩二と佳織はどうにか力になりたいと苦悶するけれど、そんな時に、彼に異変が起きて、そして最悪の『事故』が起きた。
浩二が見た事故の真実は、怒りに震えるほど、耐え難いけれど、その怒りは向ける場所がなく、ただただ悲しいだけだった。そして良紀が耐え続けたのは、母親への想いからだと知る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 16:23:18
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