前作『砂漠の賢者カエムワセト』に続き、第二幕を始めました。
時系列順としては、『草色神官の秘話』の次になります。
魔物戦と戦友の葬儀を終え、平穏な日常に戻ったカエムワセト。ジェトとカカルはライラが結成した親衛隊の隊員となり、ライラにしごか
れる日々を送っている。
そんな中、実兄である第二王子ラメセスがテーベからぺル・ラムセスに帰還した。ラメセスはエジプト軍の大元帥(将軍)である。
家族間の冠婚葬祭もしくは軍事情くらいでしかテーベを離れられないラメセスが帰って来たとあって、ぺル・ラムセスの王宮では歓迎会代わりに王子同士の戦車模擬戦が催され、そこにカエムワセトと第六王子のネベンカルが抜擢される。
怪我を負いながらも、何とか無事に模擬戦を終えたカエムワセト。しかし、そんな弟に、ラメセスは、有事の為にもっとしっかりしろ、と諭す。
カデシュの戦いから10年。新たな戦争の幕が開けである。
戦いの場所はダプール。
ラムセス二世は出兵を決意。カエムワセトは新たな仲間と共に別動体を編成し、ゲリラ作戦を実行に移す。
本作は、ラムセス二世治世10年目に起こったと言われているダプールの包囲戦を元に作成する予定です。
本作では史実と比べて若干、ダプールの戦争勃発時期が遅くなっていますが、その辺ご容赦いただけましたら幸いです。
また、前作の『砂漠の賢者カエムワセト』同様、出来る限り資料を参考に作成していく予定ですが、集めきれない情報も少なからずあり、加えて私の創作も絡んでくるため古代エジプトに詳しい方には不快な想いをさせてしまうかもしれません。その時は御教授いただけましたら、修正も検討し、勉強と励みにさせて頂きます。よろしくお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-01 19:47:39
263016文字
会話率:31%
『砂漠の賢者カエムワセト』で主人公のエジプト第四王子カエムワセト、の忠臣ライラのエピソードです。
ラムセス二世に新たな王子が産まれ、ぺル・ラムセスでは王子誕生の宴が開かれていました。ラムセスの遠縁にあたるライラも、その宴に招待されていたので
すが、ライラは貴族以上が集まる王宮の宴が嫌いでした。
大貴族の娘でありながらその華やかな人生を捨て軍人になったライラに、同じ貴族令嬢たちは非友好的でした。一方にライラは、打算ばかりでカエムワセトに近づこうとする貴族娘達が気に入りません。
ラムセス二世に尻を撫でられ、ラムセス二世の側室ビントアナトには泥棒猫呼ばわりされ、疲れ果てたライラはバルコニーに逃げて宴を抜ける機会を待ちます。
そこにやって来たのは、同じく宴会嫌いの王太子と、貴族の姫様達から逃げてきたカエムワセトでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-29 20:42:32
25284文字
会話率:28%