幼い頃から人の意のままに振る舞うよう言い聞かされて育ったティーゼ姫は、いつしか「人形姫」と呼ばれるようになっていた。表情のない顔で無感情に「はい」と繰り返す。そんな毎日を送っていたものだから、13歳の誕生日のあとに忽然と現れた誘拐犯の誘いに
も、あっさり乗ってしまった。まんまと連れ去られ、国王と対立する改革派たちに監禁されたティーゼ姫のもとに、世にも美しいメイドがやって来た。彼女は甘く誘いかける。
「姫様、私とここを抜け出しませんか?」
その声に続けて、新たに聞こえてきた声も姫をいざなう。真夜中の大脱走がはじまった。
ティーゼ姫と破天荒な男たちが繰り広げる冒険譚、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-12 18:16:53
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会話率:32%