夏休みの自由研究のため、僕ことジロ吉は、同じクラスメイトである谷川と一緒に、ツチノコを探すことになった。
虫取り網に虫かごにスコップ。このお粗末な3点セットを手に、学校の裏山で、僕と谷川はくまなくツチノコを探した。
……がしかし、僕たちの期
待とは裏腹に、ツチノコは一向に見つかる気配がなかった。
なかなかツチノコが見つからないことに、僕はしびれを切らし、途中で下山してしまう。
そうして谷川を1人残し、勝手に山を降りていると、突然山の上空から雷が落ちてきた。
その雷は、山の木に直撃し、一瞬で黒こげに……。
どうにか直撃だけは免れたところで、僕は顔を上げ、その場から立ち上がった。
……するとその矢先のこと。
突如僕の目の前に、SFモノのドラマでよく見られる時空の扉――白銀のブラックホール――が、現れたのである。
興味本位でその”時空の扉”をくぐってみると、何とその先は、異世界ファンタジーの世界が広がっていた。
ファンタジーRPGゲーに登場する様々な種族たちに加え、そこに太古の恐竜が入り混じる、まさに”プライミーバルファンタジー”な世界だったのだ。
これはそんな”プライミーバルファンタジー”な世界で、異世界のツチノコを現代に持ち帰り、自由研究の標本にするまでのお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-22 23:31:05
27504文字
会話率:27%