「──この婚約を、破棄させてもらう!」
煌びやかな宮廷舞踏会。王太子の一言で、社交界に冷気が走る。だが、彼の王太子に捨てられたはずの公爵令嬢クラリス・エグレッタは、涙ひとつ流さなかった。
代わりに彼女が返したのは、完璧な反論と、凍てつく微
笑み──そして静かなる勝利の言葉。
「ええ、いいですわ。むしろ助かります」
「なにぃ!」
少々肩書が軽くなったのは汚名が晴れただけ。公爵令嬢クラリスはまた返り咲いて見せる!!
まあ、あんな王太子なんて競う価値も無いけどね。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 20:03:43
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会話率:33%