コウというペンネームで絶大な人気を誇っている一人の小説作家がいた。コウはライトノベルから一般小説まで幅広く手がけていて、中でも、一年半前に発表したデビュー作品は今もなお売れ続けている売れっ子だ。
ただ、その作家のプロフィールはほとんど一般に
公開されておらず、サイン会も行わない、顔出しもしなければ、インタビューさえ受け付けない。謎の多い作家でもある。
そんな、売れっ子作家コウの正体は漣 孝(さざなみ こう)という名前の男子高校生だった。
小説の執筆で忙しいのか、高校ではあまり友達を作らず、部活にも所属していなかった。いつも、学校と家を行き来するだけで、他に行く所とすれば、市営の図書館と近くのそれなりの大きさを持つ書店、そして、打ち合わせのために使っているホテルくらいだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-28 22:00:00
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