春だ。
年度始めだ。
学会シーズンだ。
名朗大学精神科医局では、只今、春の学会に向けて準備の真っ最中。2年目の臨床研修医である神南備納得(かんなびのうる)も、自分自身の発表はさすがに無いものの、普段とは質の違う忙しさの中にいた。
体育会系な
外科系医局とは違い、精神科医局は何となくのんびりマイペース。
何故なら、精神科には地味に仕事の出来る人がいるから。
それは平々凡々を絵に描いたような男、茂武苑一(もぶそのいち)准教授のおかげであった……
前回投稿した短編「名朗大学附属病院 精神科医局は本日も通常運転」の続編です。
※くどいようですが、この物語はフィクションです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-06 15:06:19
10247文字
会話率:33%