西の地の大国アケノの第一王女にして、強大な魔力を生まれ持ったチカゲ・セライア。
『魔術師の神』チナミ・エスタスを王家の祖とするアケノだが、昨今では魔術師が激減している。そんな中でチカゲは、王女にして魔術師であり、正にアケノの期待の星、なのだ
が……。幼い頃よりその強大な魔力を自在に操れるよう、訓練に訓練を重ねてきたにも拘らず、14歳の今日まで、魔力が大暴走しない日がないという、『ノーコン魔術師』だった。
そんな折り、千年前にチナミと仲間の神々が封印した悪しき魔術師、エルウィードの魂が、封印を抜け出し、三度目の依代に降りる。過去2度の再封印の時は、チナミを除く4柱の神々が、それぞれの依代に降臨した。しかし、今度の悪しき魔術師の依代は魔術師。しかも、チナミと同程度の魔力を有する、宮廷魔術師長補佐のパルスタードだった。
強大なパルスタードの魔力の前に苦戦する、四人の依代、チカゲの兄でアケノの王太子カナメ、従兄のトシヤ、チカゲの守役マリ、東の地の大国ヒノワの王太子ハーシェル。
兄達を助けたいと、チカゲはチナミの自分への降臨を願う。しかし、戦嫌いの神は、チカゲの願いを聞き入れない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-29 21:53:10
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