わたしは、ほかの家なら二階家のつくりの、大きな屋根裏のある平屋で、おかあさんとふたりで暮らしている。大人のひととの繋がりはおかあさんとだけだったけれど、外の大人のひとたちが他の人との繋がりで拵える顔の数がどれだけあるかを見抜ける、おませな
能力が備わっている。
大人は、その人に向けた別の顔を作るたび、顔に焦げ茶色の竹筒が刺さる。5本、6本どころか顔がみえなくなるくらいの竹串だらけのひともいる。大人は大変だなと思った。
けれど、おかあさんには、それがない。おかあさんは、箱入り娘。わたしを外にやっても、自分はお家の中にずっといる人。
おかあさんの毎日の往復は、階下と屋根裏だけ。屋根裏には、わたしと双子のお兄ちゃんが住まっているから。危ない家族のいるところからお兄ちゃんを助けるため、親子3人でこの家に逃れたから、お兄ちゃんは隠さなけりゃいけない。娘のわたしにもそれは隠しさなくちゃいけない。
かわいそうなおかあさん、そして、おにいちゃん。
だから、わたしも、だんだんと知ってきたこの家の秘密も分からないふりをしなくちゃ、いけないの。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-12 05:30:12
12883文字
会話率:1%
【boy meets girl】アゲハのお兄ちゃんのお話です。
見た目は100%外国人なのに関西弁を喋る自称粉モン好きの浪速っ子で米国海軍のパイロット。そんなちょっと変なお兄ちゃんの彼女さんとは?
【空と彼女】【空を感じて】のそれぞれのヒー
ローとヒロインもちょろりと登場します。
アルファポリスの饕餮さん作
【饕餮的短編集「軍人な彼」「とある彼女の災難な一日」】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/274274583/289138801
【とある彼女の災難な日々】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/274274583/273151295
とのコラボ作品でもあります。
饕餮さん主催【2014大人の制服萌え企画】参加作品もこちらに併せて掲載。
※自サイト【鏡野さんの本棚】でも公開中※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-16 17:45:48
19421文字
会話率:72%