ここは、どこかにある北の大地。
雪の積もるこの雪原に、一匹のオオカミが居座っていた。
彼は寂しかった。今まで、自分に向けられる眼は全て恐怖に満ちた眼をしていたからだ。
「友達が欲しい」
ただそれだけの願いを叶えることも出来ずにいた。
そんなある日、彼の住みかに一匹のウサギが現れる。
「道に迷ったの……」
そいつは狼の自分を見ても怯えなかった、唯一の生き物だった
「俺が怖くないの?」
「あなたは綺麗な眼をしているもの。怖くなんかないわ」
次第に仲良くなる二匹。
冷めきった冷たい心に、暖かい灯火が灯った。
ところが、ライは徐々にある感情が芽生えてくる。
『コイツ、うまそうだな……』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-16 13:14:33
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