修学旅行を楽しんでいた佐藤敏央は、憔悴しきった母からの電話を受けて凍り付いた。
菓子作りの好きな妹が行方不明になったと知らされたのだ。謎の集団失踪らしい。
それほど仲の良い妹ではなかったが、目の中に入れても痛くない存在だった。
なればこそ、
その意味を理解するにつれて彼は取り乱してしまった。
友人には気を遣わせてしまい、担任教師へ相談すると一足先に帰宅する許しを得る。
そんな時に、事件が起こったのだ。
ホテルへ帰るために貸切バスへ乗り込むべく、観光先のトンネルをくぐり抜けたら……そこは異世界だった。
今までテレビの中でしか見たことのない派手な王宮に、敏央は――敏央たちは招かれていたのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-24 00:30:01
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会話率:39%