ある雨上がりの日、友人の佐々木が奇妙な相談を持ちかけてきた。1ヶ月前、徹夜明けで朦朧とする中、葬儀場の前で自転車のベルを鳴らし、「南無妙法蓮華経!」と叫んでしまったという。その瞬間、ベルの音が澄んだ「おりん」の音色に変わり、以来、ベルを鳴ら
すたびに不運に見舞われるようになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 07:58:06
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会話率:15%
雨の夜、部屋の奥から“声”がする。
誰もいないはずの空間で、何かが確かに、こちらを呼んでいる。
録音しても残らないその音は、ある日、自分の声で語り出した。
……この記録が、何かを“開く”ことになるとは知らずに。
最終更新:2025-05-24 00:00:00
8084文字
会話率:7%