製暦21xx年。
ジパングと呼ばれる島国で、ヒノモトテレビが放送する青少年更生支援番組。
その名は《バッドマン・ショー》
究極のリアリティ番組として、1年365日24時間生放送。
罪を犯し、刑罰に異世界送りを選択した少年少女の
姿を映し出す。
キャッチコピーは「更生の是非は視聴者が決める」
録画、字幕などの国別時間差放送まで含めると、1日の平均視聴者数、約20億人を数えるモンスター番組。
世界人口115億人のこの星で、実に6人に1人が見ている計算である。
そんな世界に1人の少年が現れた。
彼の名は鈴木史哉(すずきふみや)。16歳。
彼は特別な存在だった。
異世界送りを選ぶ人間の中に知らぬ者などいないはずのこの番組を、彼だけが知らなかったのだ。
異世界での自分の行動が世界中の人間に見られている。
その事実を彼は知らない。
彼が知らずにいることを、世界はまだ知らない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-18 18:29:56
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