これはとあるタイムトラベラーの手記である。
そう遠くない未来、突如として完成したタイムマシン。その初期テスト要員が記した回想録である。
救いのない絶望と不条理を背景に、
妄執、狂人、偏執狂、殺人狂たちの百鬼夜行。
多世界解釈、300
人委員会、人間牧場計画、そして核戦争。
描かれるのは地獄絵図。
単なる一テスト要員だった主人公は、タイムマシンのもたらす狂気を目の当たりにすることになる。
これは、陰惨で残酷な数知れぬ物語のひとつ。
帰る場所を失い、すべてから見捨てられた男の物語。自分とはなにか。罪とはなにか。
これは、時空の放浪者となった男の絶望の物語。男の物語には、どこにも救いはない。
これは、惨めな物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-11-09 22:10:25
30861文字
会話率:31%